大内文化まちづくり~甦れ歴史空間~|山口県山口市

企画展「コレクションが語る 萬代家と山口市の歴史」

  1. ホーム
  2. イベント
  3. 企画展「コレクションが語る 萬代家と山口市の歴史」

 

十朋亭維新館では12月27日(水)から4月1日(月)まで、企画展「コレクションが語る 萬代家と山口市の歴史」が開催されています。
令和5年度、十朋亭維新館は開館5周年を迎えました。改めて足元を見つめなおすとの意味をこめて、山口の町とともに歩んだ萬代家二百有余年の歴史を伝来の資料とともに振り返る企画展です。

 

十朋亭は江戸時代後期に建てられた萬代家の離れ。幕末には萬代家の支援を受けた多くの志士たちが出入りしました。

 

 

開館以来5年ぶりに展示されるものや、はじめて展示されるものもあります。
十朋亭内にレプリカが展示されている、江戸時代の儒学者篠崎小竹の「十朋亭」扁額の実物をはじめ、なかなか見る機会のない資料が公開されています。

 

萬代家5代目当主利兵衛輔徳の肖像画。幕末期に長州藩士たちを支援し、御用達や越荷方会所会頭をつとめた利兵衛は、寡黙で情に厚い人柄だったそうです。

 

かつての志士たちが、明治に入り中央政界で活躍するようになってからも交流が続きました。
日清戦争の際、大本営が置かれた広島へ山口町会議員代表として訪れた6代目当主利七が、伊藤博文総理から贈られた大杓子も展示されています。
伊藤自作の漢詩が揮毫されたもので、一字漏れていたので書き足してもらっています。のちに井上馨も漢詩を書き添えた寄せ書きとなっています。利七と伊藤との深い結びつきを偲ばせる一品です。
箱の蓋には「明治三筆」のひとり巌谷一六が題字・由来を記しています。

 

 

久坂玄瑞が愛用したと伝わる京焼(清水焼)の湯呑茶碗も本物です。
伊藤博文から萬代家がいただいた酒器は菊花紋が入っており、天皇から下賜された品と伝わります。

 

 

天保12年(1841)萬代利兵衛が杉山新兵衛(萬代家近隣の紙問屋「三文字屋」)から畑を購入した際の証文もあります。
萬代家は江戸時代中期以降、長年にわたり醤油醸造を営んできました。経済・産業界へ貢献するとともに、地域行政においても足跡を遺しています。
8代目当主亀四郎は山口市の初代市議会議長をつとめました。火災に遭った常栄寺の復興や表千家流茶道の普及にも尽力し、山口の文化面での貢献も紹介されています。

 

萬代家伝来の日本画も今回はじめての展示となります。
平安時代以来の伝統様式を反映した大和絵「源氏物語図 花宴」のほか、中国南宋期の絵画様式に影響を受け、江戸時代後期から明治時代初期に流行した南画が多く遺されています。
防長における南画の祖・矢野括山の「武陵桃源図」や、近世後期の代表的な南画家・小田海僊「嵐峡図」などが展示されています。

あらためて山口の幕末維新を伝える史跡十朋亭そして萬代家の、歴史を物語る遺品に触れることができる貴重な機会なので、  是非ご覧ください。

※前期:12/27~R6.2/19、後期:R6.2/21~4/1で一部展示替えがあります。

ページ一覧に戻る

ページの先頭に戻る