6月7日(土)、山口市菜香亭での企画展「幕末維新めぐり 関西の中の長州」の関連行事として、萩博物館特別学芸員・一坂太郎氏の講演会が開催されました。
・毛利家のルーツは、平安時代の平城天皇にまで遡り(皇子の阿保親王(一品親王)の塚は兵庫県芦屋市にある)、唯一の皇族系大名「皇別(こうべつ)」であること。
・長州藩では、徳川光圀が忠臣として称賛した楠木正成を、吉田松陰や桂小五郎、周布政之助らが崇拝し、とりわけ桂は「楠公祭」を催して藩主まで巻き込み「奉勅攘夷」(天皇の命があれば勝ち負けにこだわらず絶対に従う)という過激な行動に走ったこと。
・伊藤博文は、新政府側とイギリス・アメリカ・フランスの主張が対立した「神戸事件」で、英国公使パークスと交渉し鎮静化させた功績により28歳で初代兵庫県知事に任命されたこと。
などが紹介され、約100名の参加者が熱心に耳を傾けました。
また伊藤博文が初代兵庫県知事時代に書いた、版籍奉還や廃藩置県などの国家構想に関する自筆の建白書が初公開されました。
長州藩の関西での活躍がわかりやすく語られ、歴史の息吹に触れる貴重なひとときとなりました。